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■ITV展の開催でトラック業界を活性化
株式会社日新では、今年10月1日㈫~3日㈭の3日間、千葉の幕張メッセにおいて、2019・ITV次世代ビークル展の開催を予定しているが、3月22日には、東京都トラック会館において、企画説明会を開催した。
企画説明会には出展予定者や報道関係者を合わせて約40名が出席、主催者の横路社長がおよそ以下の説明を行った。
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ほぼ35年前に遡りますが、当社がトラックショーを開始するキッカケになったのは、米国自動車産業視察団を引率してアメリカで開催されていたトラッキングショーの見学です。このトラッキングショーは現在も継続されていますが、全米のトラック運送事業者で組織している協会の大会に合わせて開催されています。日本でも立派なモーターショーが開催されていましたが、乗用車に偏重していて、トラックは蚊帳の外の感じでした。それで日本のトラックユーザーを対象に主に働くクルマを展示したのがトラックショーです。
今年は2019年10月2日に幕張メッセで第24回全国トラック運送事業者大会が開催されることになっています。一昨年TTS ショーを開催した当社は、今年6月に二回目を開催する準備進めておりましたが、全ト協の事業者大会が10月に幕張メッセで開催されることが明らかになりましたので、急遽日程を変更したものです。米国と同じように、トラックユーザーの大会に合わせて開催する商用車の展示会は今回が初めてです。
展示会の名称を『ITV』(アイ・テー・ビー)に変更した理由は、物事が加速度的に変化している時代ですので、その先端技術を展示することで、ユーザーにトラック運送の近未来を学んで頂きたいと願うからであります。
ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)は、人と道路と自動車の間で情報の受発信を行い、道路交通が抱える事故や渋滞、環境対策など、様々な課題を解決するためのシステムとして1995年から世界規模で進められています。ETCや自動運転などもこのITSの一環で、現在はその最終段階、2030年頃の完成を目指しています。このITSはソフトですから、ハードウエアが無ければ一歩も進展しません。そのハードウエアを“V”つまりビークルとして『ITV』を名付けております。ビークルは陸・海・空、動くものは全て対象になりますが、今回はトラック運送事業者大会に的を合わせていますので、陸上輸送が中心ですが、物流での実用化が目前に来ておりますドローンなども、対象にしたいと考えております。また、東京オリ・パラを来年に控えておりますので、その関連車両も展示できれば、内外に注目を集めるのではないかと考えております。
また、自動運転と並んで注視しなければならないのが、自動車の動力源です。既に2030年ころからは排気ガスを出す車両は生産・販売を法律で禁止する国が出てきます。日本は2050年を目標年にする案が出されています。
これは、地球温暖化が背景にありますが、いずれにしても化石燃料に依存する時代に終わりが来るのは時間の問題です。
それに替わるのは電気です。ITVの動力は必ず電気になります。そこで、2019・ITV次世代ビークル展は一般社団法人電気自動車普及協会と共同開催にしております。
電気自動車も大きく分けますと、充電式とFCV(燃料電池車)があります。都バスは来年の東京オリ・パラに向けてFCVへの切り替えを進めていますが、水素を搭載して発電、蓄電する燃料電池車は大型車両に向いていると言われています。
水素を大量に使用する大型FCVは、水素の供給体制が大きなカギになります。そこで、当社では電気自動車普及協会の田嶋伸博代表理事に協力願って、燃料電池トラック・バス普及協会の設立を進めております。
2019・ITV次世代ビークル展には、是非とも大型トラックのFCV展示も実現したいと考えています。
引き続いて、燃料電池トラック・バス普及協会の構想について、電気自動車普及協会の田嶋伸博代表理事にご説明頂きます。
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■燃料電池トラック・バス普及協会の設立を表明
田嶋伸博代表理事は、一般社団法人電気自動車普及協会の設立と活動内容など説明のあと、燃料電池トラック・バス普及協会設立の目的や意義などについて、およそ次のように説明した。
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現在、国はクリーンな水素エネルギー社会実現に向けて、運輸部門におけるCO2削減目標(温暖化対策計画案)を2013年から2030年の間で27.6%減の実現を目指しています。
温暖化対策目標の達成には、先進環境トラック・バスの普及が必要不可欠となります。
そのためには、燃料電池トラック・バス普及協会を設立し、大型車両のFCV化を推進する必要があります。
燃料電池自動車の普及目標は、累計で2020年までに4万台程度、2025年までに20万台程度、2030年までに80万台程度となっています。また、水素ステーションの整備目標は、2020年度までに160箇所程度、2025年度までに320箇所程度です。
そこで、燃料電池トラック・バス普及協会は、水素社会実現に向けた行政への補助政策の提言や「水素を作る企業」「車両を作る(コンバージョン含む)企業」「FCV車両を使う企業」に対して、啓蒙活動を展開する計画です。
水素社会実現の向けて取り組む企業・団体すべてへ補助施策を要請し、公平に補助を享受するため「CO2削減量=走行距離」に応じた補助を提言して参ります。
また、良質な労働力獲得への取り組みとしましても、FCVトラック・バスのクリーンで静かな特性を社会に啓蒙する必要があります。FCVトラック・バスをドライバーを憧れの職業にするためにも、水素社会の先進性・将来性を社会に啓蒙することは、社会性の高い企業への労働力誘致となります。
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以上、田嶋代表理事は、地球温暖化防止の為には、トラック・バスなど大型車両のFCV化を推進することが急務で、2019・ITV次世代ビークル展を通じて、トラック運送業界に広くアピールすることを表明した。